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サツマイモ基腐病に対する蒸熱処理に関して、2021年2月に農研機構生研支援センターより「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策 技術者向け(令和2年度版)」が発表され、最新版の令和4年度版※では「48℃95%の定温定湿で100分の蒸熱処理」が提唱されています。
処理プログラムの詳細は令和4年度版資料(下記最新版リンク先)を参照ください。
サツマイモの蒸熱処理では殺菌に必要な温度と芋に熱障害が発生する温度帯が近いため、それを避けるプログラムと、均一にムラなく処理するコントロール精度が求められます。
2021年、弊社は澱粉製造企業、バイオ苗の製造企業などと共同で2022年1月までに30トンのサツマイモの蒸熱処理を行い、その効果を実証しました。また、独自に試験を重ねて精度を上げ、1室500kgまでの処理が可能となりました。
更に、移し替え作業等の余計な作業工程を増やさず芋の傷つきを防ぐため、生産現場で通常使用している収穫コンテナのまま蒸熱処理が可能とする技術を実用新案として申請登録いたしました。
また、蒸熱処理装置は精密な温度コントロールを行うため、熱源に電気ヒーターを使用しています。
カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現が求められる中、本装置も工場などから排出される廃温水を利用した省エネタイプの機種を開発、電気ヒーターのみ、電気ヒーターと温水のハイブリッド運転、温水のみと状況に合わせた運転が可能となった新型を開発しました(特許出願中)
【実用新案登録】第3236140号 【意匠登録】第1720661号 【商標登録】第6570474号
注意!
サツマイモの蒸熱処理は精密な温湿度コントロール条件のもと、正しい処理条件に基づいて処理を行わなければ大切なサツマイモを傷ませる恐れがあります。
カタログはこちら→ [PDF]
サツマイモ基腐病は、2018年11月に日本で初めて発生が確認された病害で、糸状菌(Diaporthe destuens,旧名:Plenodomus destruens)によって引き起こされます。この病気が発生すると、葉が変色して育成不良になり、根元が黒変して腐敗します。また、地下に育成するサツマイモも成り口から変色し、カビの臭いがします。
2022年6月末現在、沖縄、鹿児島、宮崎をはじめ26都道県で確認されております。
サツマイモ基腐病対策の基本は「持ち込まない、増やさない、残さない」の3つであり、苗からの菌の持ち込みを防ぐために種芋の苗床や本圃の消毒、種芋や苗の消毒による健全種苗育成が重要となってきます。
本製品は令和5年3月までに11台納入しております。また、試験用小型装置は2台研究機関へ納入しております。
令和5年度産サツマイモについては、鹿児島県・宮崎県で弊社蒸熱処理装置およびその他施設において数百トンの種イモが蒸熱処理されました。サツマイモ基腐病対策の「持ち込まない、増やさない、残さない」のうち「持ち込まない」対策の第一歩が本格的にスタートしています!